35万票減が示す公明党の未来

7月10日に参議院選挙の投開票が行われました。結果は自民党が8議席増の63議席で改選120議席の過半数を獲得する圧勝でした。一方野党では立憲民主党が6議席減の17議席、日本維新の会が6議席増の13議席、国民民主党が2議席減の5議席、共産党が2議席減の4議席、れいわが3議席増の3議席、社会民主党が現状維持の1議席、参政党とNHK党が1議席を獲得しました。

私が注目したのは公明党です。と言うのは前回2019年7月の参議院比例代表での総得票数が約653万票となり、これまで最高だった2005年衆議院比例代表での約898万票から大きく減っていたからです。昨年9月の衆議院比例代表では約711万票獲得していますが、衆議院の場合自民党が選挙区で自民党候補に投票してもらう代わりに比例代表では公明党に投票するよう呼びかけており、自民党票がかなり含まれていると考えられます。一方参議院選挙の場合、そのようなバーターが殆ど行われていないことから、公明党支持者の実数が現れることとなります。

今回の参議院比例代表における公明党の総得票数は約618万票であり、前回より約35万票減少し、過去最少である1989年参議院選挙の約609万票と近いレベルです。公明党の支持母体である創価学会員の高齢化が進み、増加する自然減少に対して新規会員は殆ど増えていないことが伺えます。この結果比例代表では1議席減の6議席となっています。投票率が前回並みの中で公明党が議席を減らすのは珍しく、注目に値する現象です。このまま行くと今後公明党は、参議院選挙では毎回比例代表で約35万票減少し、議席を1議席減らして行くことが予想されます。公明党の場合浮動層の投票先にはなり得ず、これは相当高い確度で実現します。こうなると公明党の行く末を検討する時期に来ていると考えられます。

1つの考えとしては、自民党と合流し、自民党内で創価学会グループを作ることです。公明党は衆議院議員32人、参議院議員27名合計59名の勢力なので、自民党でも第二派閥に相当する勢力となり、今よりも大臣を出せる可能性があります。最近の公明党は事あるごとに現金給付を持ち出し、現金給付党と揶揄される状況であり、また利権に絡む動きが目立っています。これは多くの国民から創価学会の教義に基づくものと考えられ、その結果創価学会が嫌われ者となり、布教活動にマイナスとなっているように思われます。創価学会の活動にマイナスな政党は本末転倒であり、公明党の廃止は十分にありうる判断です。

未だ相当の議員がいることから当面先送りになると思われますが、力があるときが花であり、十分機は熟していると思われます。