フランスでは5月に公共放送受信料を廃止していた

インターネットを検索していたら、フランスでは2022年から公共放送の受信料(約4,000億円)を廃止することが決定したという記事を見つけました。5月11日に行われた閣僚評議会でこの方針が示されたということです。

公共放送の受信料廃止は、マクロン大統領が大統領選挙期間中の今年3月7日に公約として発表していたということです。マクロン大統領は人気のある大統領ではなく、よく再選されたなと思っていたら、この公共放送受信料の廃止の公約が再選の決め手になった可能性があります。マクロン大統領が大統領選挙期間中に公共放送受信料の廃止を公約にしたのは、2020年12月、英国の総選挙で不人気だったジョンソン保守党がBBC受信料の廃止を公約に掲げたら大勝したことにヒントを得たものと思われます。このときの英国では、EU離脱で国論が2分し、長らく国会で承認が取れませんでした。そのため追い込まれた保守党政権は国会を解散し総選挙に打って出ましたが、敗北する可能性もありました。そこで保守党ジョンソン政権が起死回生策として公約に掲げたのが、国民の憎悪の対象だったBBC受信料の廃止でした。このときジョンソン首相はBBC受信料廃止の理由として、「メディアが多様化した現在BBCだけ受信料で賄う理由はなく、また受信料は事実上税金となっており、視聴する分だけを支払う課金制(スクランブル放送化)が望ましい」との考えを示しました。

マクロン大統領は受信料廃止が選挙で絶大な威力を持つことを知って、自分の選挙でも使ったものと思われます。このように公共放送の受信料廃止は、政権を左右する国民の関心事になっていることが分かります。

受信料廃止後フランス公共放送は税金で運営されることになるようですが、税金の徴収方法や金額については未定のようです。税金となると今後は運営費が減らされることは確実であり、BBCのようにネット放送局に移行することも考えられます。

英国BBCの受信料が2028年3月で廃止される可能性が高まったのに続き、フランス公共放送の受信料が廃止されたことにより、NHK受信料は崖っぷちに追い込まれたと言えます。

この秋にNHKは料金値下げ案を発表するようですが、BS受信料の廃止くらいに踏み込まないと、次の総選挙で日本維新の会や参政党がNHK受信料廃止を公約に掲げたら、自民党は大敗を招きそうです。

私がこの記事を見て一番驚いたのは、この事実がこれまで新聞やテレビで報道されなかったことです。新聞やテレビは政府のお抱え報道機関であり、政府のために、あるいは自社のために情報操作しているという印象を持っていましたが、「やっぱりな」という感じです。テレビ局の多くは新聞社の資本系列下にあり、新聞社はテレビ局を守るのに必死です。テレビ局は、NHKは受信料で運営し、民間は広告収入で運営するという体制が出来上がっており、新聞社やテレビ局は、受信料が廃止されNHKが民営化されることを警戒しています。そのため英国BBC受信料廃止の動きも報じませんでしたし、その後のフランスでの受信料廃止の決定については全社で報道管制を敷いたものと思われます。これで分かることは、NHK受信料はテレビおよび新聞の国民に対する情報統制システムの中核となっており、国民は自らに対する情報統制の費用を負担していることになります。国民主権を取り戻すためにもNHK受信料は廃止する必要があります。勝負は次の総選挙であり、日本維新の会や参政党にNHK受信料の廃止を公約に掲げるよう働きかける必要があります。そしてもし自民党がNHK受信料を守るつもりなら、自民党に投票しないことを徹底し、自民党を廃止に追い込む必要がります。

(詳しくはこちらを参考に https://sakisiru.jp/27604