防衛費増額の一部にNHK受信料を充てるべき
ロシアのウクライナ侵攻により惰眠を貪っていた日本も防衛力の強化に動き出したようです。政府は防衛費を今後5年間でGDP2%にする方針を決めましたので、この方向は揺るがないと思われます。そのため来年の防衛予算の要求は7~8兆円になるかと思ったら今年度比3.6%増の約5兆6,000億円でした。今後上積みがあると言うことですが、低予算になれた防衛省は急に予算を増やしていいよと言われても何をすればよいか分からないようです。防衛省は、北海道にロシアが侵攻したら20日も持たないと言いながら、撃退するプランを持っていない(撃退するための予算が出て来ない)のですから、普通の公務員組織になっていることが伺えます。
このため防衛費増加の財源の問題は、来年の予算編成ではあまり問題にならないようですが、今後10兆円規模になってくると大きな問題になってきます。これについては今後政府と自民党で検討すると言うことです。日経新聞では所得税や法人税の増税が考えられると書いていましたが、フローに課税すると国民生活が悪化することから、適当ではないと考えられます。私は、防衛費の増加分の多くは防衛装備という資産に充てられることから、国民資産の振り替えと考えて、資産課税により調達するのが妥当と考えます。株式の譲渡益や配当、預金利息、不動産譲渡益や不動産保有にかかる税率を上げて調達します。預金利息については日銀の金利引き上げも近いと思われ、金利2%は正常金利であり、2%まで上げれば防衛費の増加分5兆円は調達できる可能性があります。これについて国民の理解が得られれば防衛費の増加分の財源は難なく賄えます。
それでも国民に痛みが伴いますので、政府としてはその他の国民負担を軽くする必要があります。先ずすべきことはNHK受信料を廃止することです。NHK受信料は国民の憎悪の対象となっており、所得が増えない中で物価が上昇し負担感が大きなっています。来年11月から1割値下げするようですが、そんなもので済む問題ではありません。英国ではNHK受信料の手本となったBBC受信料が2028年度で廃止される方向ですし、フランスでは今年5月国営放送の受信料を廃止しました。これは受信料が選挙の結果を左右するほどの問題になったためであり、日本でも次の国政選挙でNHK受信料廃止を掲げた政党(NHK党を除く)が躍進すると考えられます。そうならこの機会にNHK受信料を廃止し、資産課税が強化される国民の負担を軽減することが政府・自民党にとって有益です。NHKはネット放送局として災害放送や国会中継などを伝える組織とします。これは防衛費増額の負担を国民に求めるならマストであり、自民党が政権を担い続けるためにもマストです。