自公連立政権最後の3年間になる

1999年に成立し、この間民主党政権だった3年間を除き連立政権を組んでいた自公連立政権が最後の3年間を迎えそうです。その理由は岸田政権が誕生後1年余りで30%程度の支持率に沈み、同時に国民の多くが物価上昇に苦しむ中で増税を決めたことから、有権者の自民党離れが始まっていることと、連立相手の公明党の支持母体創価学会に組織弱体化が起きているからです。

先ず自民党離れですが、岸田首相の不人気は森首相の不人気に並ぶと思われます。森首相の場合は、田舎の政治家そのものであり、田舎者的なものが嫌いな都会人や若者から徹底的に嫌われました。森首相は政策よりも人間性が嫌われていましたら、挽回の余地はありませんでした。森首相は人間性が愛された小泉首相と対極をなします。安倍首相は第一次政権では頼りなさからだんだん不人気となりましたが、第二次政権では自民党内で絶対的権力を確立し、アンチも多かったですが保守の岩盤支持層を持っていました。そのため支持率は殆ど40%を割り込みませんでした。これに対して岸田首相は、ハンサムで知的なことから誕生当初は60%を超える支持率を獲得しましたが、今年8月の安倍元首相国葬決定から支持率を急速に失っていきました。それは安倍元首相が暗殺と言う悲劇的な死であったことに流されて、毀誉褒貶が激しい安倍元首相の国葬を独断で決定し、我こそリーダーと勘違いしたからでした。国民の多数はこれをもって岸田首相は日本のリーダー足りえないと判断しました。この後は何をやっても非難されるばかりです。そんな中で防衛費増大の話となり、増大には国民の多くが異論ないのですが、その財源を増税に求めるとなると生活が苦しい中で同意できません。防衛費増額の財源いついては、安倍元首相は生前「道路や橋を造る予算には建設国債が認められている。防衛予算は消耗費と言われているが、間違いだ。まさに次の世代に祖国を残す予算だ」と述べ、国民の生活に配慮していたのに対し、岸田首相は「今を生きる国民が自ら責任として重みを背負って対応すべき」と増税を主張し、国民の生活に対する配慮を全く見せませんでした。この鈍感さのため岸田首相に飽き飽きしている国民が大多数となっており、今では顔も見るのも嫌というレベルになっています。同時に表面的には増税論に反対しながらあっさりと鉾を収めた自民党議員に対しても有権者の多くが失望しており、「もう自民党はいいかな」という空気が満ちて来ています。来年の統一地方選挙ではこの空気が投票に表れて自民党は大きく票を減らすことになります。たぶん2割は減ります。

これに加えて連立を組む公明党に異変が見られます。公明党の場合、臨時国会で議論の中心であった旧統一教会と似ている部分が多く、旧統一教会問題が取り上げられる度にギクッとする創価学会員が多かったと思われます。特に旧統一教会の若手女性信者が顔を曝して告発する内容は、創価学会の若手信者にも共感するところが多かったのでないでしょうか。創価学会の2世、3世は自分の意志で信者になったのではなく、物心ついたときからお題目を唱えさせられ、世の中の人はみんなこうなんだと思って育ってきています。それが高校や大学に入学し、創価学会員と分かると友人が去って行く状態に接し、ちょっと不安を持つようになると思われます。その後は異性を好きになっても創価学会員であることが障害になることも多く、結婚は学会員同士が大部分となっています。こんな状況に不満を膨らませた学会の2世、3世は多いと予想されます。これが旧統一教会問題が報道されることで表面化し、創価学会から離れる、または活動から距離を置く若者が増えているように思われます。

それが現象として現れたのが10月23日投開票だった草加市議会選挙です。草加市議会選挙では投票率が上がったにもかかわらず、公明党の候補6人の合計得票数は1万2,206票で前回2018年市議選の1万4,989票より2,692票(約18%)減ったのです。地域選挙の場合、公明党は地域の創価学会員の名簿に基づきがっちり管理しますから、これまでは計画から100票以上少ないことは有得なかったのではないでしょうか。間違いなく学会員に離反が生じています。これをもって3年後の参議院選挙や総選挙での公明党の得票数は前回より2割以上減少すると予想する政治評論家もいます。この結果公明党の議席が減るのはもちろんですが、創価学会の支援で当選していた自民党も大きく議席を減らすことになります。特に旧統一教会と関係があったことが明らかになった議員に創価学会員が投票するとは思えず、これだけでも自民党は数十議席減らすことになります。この結果、3年後に予想される総選挙では自公で過半数は行かず、他の党の加えた3,4党の連立政権に移行することになります。