楽天LINKを売りにしている限り楽天モバイルは絶望的
最近新聞に相次いで楽天モバイルの記事が出ました。1つは1月19日付毎日新聞で“「社員着服のつけ」下請けに 楽天モバイルが契約解除で経営危機”という標題でした。この事件は昨年9月に報道されたもので、楽天モバイルの幹部社員が取引先2社の役員らと共謀し、コンサルティング料などの名目で楽天モバイルに水増し請求しており、楽天モバイルの損害は46億円に上ったというものです。これを受け楽天モバイルは2社との取引を停止し、2社の預金口座を差し押さえました。この2つの取引先の下には多くの下請け先があり、その下請け先も事業に行き詰まるところが多くなっており、楽天モバイルは道義的責任があるというのが毎日新聞の論調でした。確かに楽天モバイルの幹部社員が主導して引き起きした事件であり、関係のない下請け先に影響が及ばないよう配慮があっても良かったように思えますが、楽天モバイルは全く配慮しませんでした。このドライさ(薄情さ)は楽天の(三木谷社長の)の体質のように思えます。
2つ目は1月20日付の読売新聞に楽天モバイルが日本郵政との提携の結果設置した郵便局内店舗283店のうち200店を4月末までに廃止するという内容でした。閉店の理由を楽天モバイルは「楽天モバイルの認知向上を図ることができたため」としていますが、実体は楽天モバイルの赤字が膨らみ、店舗が維持できなくなったためと思われます。楽天モバイルは昨年5月に0プランの廃止を発表した結果、契約者数はピークの約568万人から昨年9月末には約518万人と約50万人減少しました。これは最低契約が3Gまで1,078円になったことが主な原因ですが、発表の席上三木谷社長が「いつまでもタダで使ってもらっても困る」と発言したことも原因の1つです。と言うのは、0円プラン発表の際三木谷社長は楽天経済圏で売上が増えることを考えると0円であってもペイすると言っていたからです。この発言で0円から有料になった契約者の中にも辞めた人がいると思われますし、辞めた人は今後2度と楽天モバイルとは契約しないはずです。2022年12月期第3四半期決算発表の際三木谷社長は今後契約数が増加に転じると述べたようですが、第4四半期も大幅に減少しているはずです。何故ならば10月までは1,078円をポイントで還元し実質無料であったため、実質的に負担感が出てくるのは11月以降であり、11月以降解約の第2波が来ると思われるからです。
実は私はまだ楽天モバイルのユーザーです。楽天モバイルと契約したのは、ドコモのガラケーが壊れたことと、楽天モバイルが携帯電話業界の高い料金体系を壊してくれたことに対する感謝の気持ちからです。0円料金については、これは電波の繋がりが悪いための一時的な処置であり、電波の繋がりが良くなれば段階的に値上げになると思っていましたので、0円プラン廃止自体には驚きはなかったのですが、一挙に1,078円に値上げしたのは驚きでした。それよりも三木谷社長が0円ユーザーを迷惑みたいに言ったことに腹が立ちました。それでも面倒くさいこともあって他社に乗り換えていなかったのですが、ここになって乗り換えを検討しています。それは楽天モバイルの最大のメリットである無料通話アプリ楽天LINKの通話品質が通話に堪えないレベルに悪化しているからです。加入当初は少しパケット感のある通話でしたが、それ程支障はないレベルでした。それが最近の通話では音声が割れる、きんきん言うなどかってのスカイプの通話のようになっています。これでは通話の相手に悪くて使えません。今OCNへの乗り換えを真剣に検討しています。問題は今のスマホ端末にドコモのシムが使えるかどうかだけです。
このような観点から私は楽天モバイルが楽天LINKを売りにしている限り、契約を増やすのは無理だと思います。楽天モバイルの将来性は極めて厳しいと思われます。