比例代表は獲得した議決権を党に与えればよい

れいわ新選組の山本太郎代表は1月16日の記者会見で、体調不良により参議院議員を辞職した水道橋博士氏の残り任期に関し、昨年の参議院選比例代表に立候補し落選した5人に交代で担わせると発表しました。1年程度で辞職と繰り上げ当選を繰り返させる「ローテーション制度を導入し、任期を有効活用する」と説明しています。これに対してはSNS上賛否両論になっているようです。ヤフーニュースの記事から意見を引用すると

批判論;

「1年交代で、議員として質の高い仕事ができるのだろうか?あまり奇策に走りすぎると、真剣さを疑われると思う」「バイトのシフト?」「ローテーションと気軽に言うが、議員が入れ替わればその分歳費もかかる。それに見合うだけのだけの効果が得られるか疑問」

「これはどっかの政党がやると思った。だから比例は要らんのよ」「こんな事すると比例代表制について改正廃止必要論が出て自らのクビをしめる事に」「投票した有権者の票を生かす試み…物は言いようだな」「なるほど1年毎に辞職して繰り上げ当選を繰り返せば制度上は可能になるわけか?一人ずつ3000万円の歳費をもらうことになる。しかし有権者はどう思うかな」

称賛論;

「人をこれほど大事に活用しようと試みる組織はあまり見たことがない。批判もあろうが名案」「れいわのイノベーション素晴らしい」「別に禁止されてる訳ではないならいいんじゃね?新しい試みいいじゃん」「斬新だ。比例区は人でなく党で獲った議席という性質が強いので、アリ」「選挙区と異なり、比例区は政党の議席という側面が大きい。1議席を1年ごとに5人で担うという、れいわ新選組の判断は、国政に新風を吹き込み、市民と政治を繋ぐ妙手」「ルール上問題ないんだったら勝手にやればいいと思うよ。それに対して有権者が選挙で判断すればいいだけのこと」

これを見ると有権者の間では制度上問題なくいいんではないかという見方が多いようです。私もルール内での1つの革新的試みだと思います。と言うのは参議院比例代表の場合、個人の得票数よりも党の得票数が大きく、誰を当選とするかはあまり意味がありません。各党では比例候補の場合各分野の専門家を選んでいることが多く、当選した議員の専門分野の議論においては有益といえますが、専門外の分野においてはいる意味役立たずと言えます。従って専門外の分野においては別の専門家を議員にして議論に加わってもらうことが有益です。こう考えると1年のローテンションと言わず、専門家をプールして置いて議論テーマごとにプールされた専門家の中から最適な人を議員にするということが考えられます。この場合数カ月単位で議員を交代することもありえます。こちらの方が国会の議論を深めるためには効果的と言えます。

一方共産党の小池晃書記局長が述べたように「比例代表については党で運営し、判断する面もある」ことから、議員は誰でも良いと言うことも言えます。これを突き詰めると、比例代表の議員は1人でよく、獲得した議席数の議決権をその1人の議員が行使することにすることも考えられます。これでは1人の議員が多くの議決権を持つことになり政党としては困るので、獲得した議決権を政党代表が行使することにすればよいと考えられます。これで比例代表の議員数が大幅に減り、国会のスリム化に繋がります。この先には比例代表廃止に繋がると思われます。