ソフトバンクホークスはオリックスに太刀打ちできない

今年もプロ野球の開幕が近付いてきました。10年前福岡に移住し地元ソフトバンクホークス(ホークス)を応援するようになりました。この間ホークスはせパ両リーグを通じて最強の期間が長く、良い気分で毎日が送れました。しかし5年くらい前から弱体化が進み、工藤監督時代の後半は工藤監督のピッチャーの遣り繰りでやっとこ優勝する有様でした。ついには一昨年優勝できず昨年監督が工藤監督から藤本監督に交代しました。当初小久保氏コーチの昇格が有力と言われていましが、選手の世代交代の時期になっていたことから二軍で若手を見てきた藤本監督が適任となったようです。

ホークスは育成契約で入団した選手の中から千賀投手や甲斐捕手、牧原選手などが一軍で活躍しており、育成上手と言われていましたので、藤本監督になって2軍の若手が抜擢され活躍すると思ったのですが、期待外れでした。そんなに魅力的な選手がいませんでした。それにもう10年くらいドラフト1位で獲得した選手が全く活躍していません。

一方最近2シーズンパリーグで優勝しているオリックスは若手が活躍しています。特に投手は宇田川投手や山崎投手など160km近い速球を投げる若手が出て来ています。宇田川投手は2020年育成ドラフト入団であり、山崎投手は2016年ドラフト6位入団です。これが160km台の速球を投げるようになっており、オリックスのスカウトと育成システムが優れていることになります。更に今年は20才の山下舜平大(しゅうぺいた)投手が160km近い速球を投げ、大谷二世と呼ばれています。山下投手はホークスのお膝元の福大大濠高校出身であり、本来ならホークスにいるべき投手です。2020年のドラフトで山下投手はオリックスのハズレ1位ですが、このときホークスは同じくハズレ1位で花咲徳衛高校の井上朋也内野手を獲得しています(表1位指名は近大佐藤輝明選手)。井上選手は3年連続で甲子園に出場し、ホームランも高校通産50本打っており、松田選手の後釜候補としては理解できますが、ホークスのスカウトは山下投手もたくさん観ていたはずなので才能を見抜けなかったことが残念でなりません。ドラフト1位についてはここ数年こんな事続きです。

また外国人選手の採用でもハズレが続いています。昨年年俸4~5億円の2年契約でガルベル選手が加入しましたが、さっぱり打てずほぼ2軍暮らしでした。今年はストディーヨ選手とホーキンス選手、ガンケル投手を獲得していますが、オープン戦を見ると戦力になりそうにありません。こうなると国際スカウトの目利き力を疑わざるを得ません。それに加えホークス球団の判断力の衰えを感じるのは、2020年サイヤング賞のバウアー投手を獲得しなかったことです。バウアー投手がドジャースからリリースされ他のメジャー球団が獲得しないことが明らかとなったとき、私はホークスが獲得すると思いました。以前のホークスなら間違いなく獲得していました。ホークスが獲得しない場合、数年前バウアー投手がベイスターズの横須賀2軍施設を訪問していた経緯からベイスターズが獲得に動くことは明らかでした。結局ホークスは獲得に動きませんでしたが、これは勝利への意欲が衰えていることが原因です。

国内ドラフトおよび国際スカウトでこれだけ外れると今年のペナントレースでの優勝は難しいと思われますし、それ以上にファンにとって魅力のある選手がおらず観客が減ることが予想されます。次の野球界の盟主はホークスからオリックスに移りそうです。ソフトバンクグループ孫社長の没落とオリックスグループの繁栄に重なります。