推薦やAO入試が表門で一般入試は裏門化

今年も大学では入学シーズンが終了し、今は授業が始まった時期だと思われます。大学の授業は高校の授業と違い、受ける授業の選択肢が大きく出席も自由なため、目的をもって入学した学生と、大学合格だけが目的だった学生で生活に大きな差が出ることになります。その点で推薦やAO入試で合格した学生は入学する目的な明確であり、一般入試で入学する学生よりも授業にすんなり入れるような気がします。入学する目的がはっきりしていれば大学の授業は魅力的なものが多く、収穫が多い学生生活となります。

そういうこともあって私立大学ばかりでなく国立大学も推薦やAO入試の割合を増やしているようです。私立大学の場合、学生確保の観点もあって付属高校を増やし内部進学が大きな割合を占めている所が多く、これに推薦やAO入試を加えると入学者の半分以上が無試験での入学者となっている大学が多くなっています。今年は早大に女優兼アイススケート選手が自己推薦で合格したことがヤフーニュースに載り、これについてヤフコメにいろいろな書き込みが見られました。女優とスケートで優れた成績を上げているのだから当然と言う好意的な意見もあれば、あれだけ忙しければ勉強はあまりしていないはずだから、学力を全く考慮しないのはおかしいという意見も多く見られました。特に早大といえば多くの大学受験生が憧れるトップクラスの大学であり、一般入試枠が狭まっている中でこういう入学を知ると腹立たしい受験者も多いようです。大学とすれば、こういう学生は卒業後活躍が確実であり、大学のブランドを高めることが期待できるため、学校経営上メリットがあります。この点では内部進学者より魅力的です。内部進学者の場合は大学に無試験で進学できることから付属中学や高校に進学し、安くない学費を払い続けているので、学校法人の経営にとっての貢献は大きいものがあります。一般入試組の入試偏差値を高めるという貢献は、一般入試枠を狭めれば狭めるほど大きくなるため、一般入試枠は今後とも狭くなると考えた方がよさそうです。

そうだとすれば、内部進学や推薦、AO入試が表門で、一般入試は裏門化してくるとも言えます。そうなると一般入試対策をするよりも推薦やAO入試対策をした方が良いことになります。これからは推薦やAO入試対策に力を入れる学校や予備校が増えると思われます。