東京都議補選、創価学会は自民党候補に投票せず
6月4日に東京都大田区で2議席を争う都議会補欠選挙がありました。公明党は衆議院東京28区の候補を巡って自民党と対立し、東京の選挙では今後自民党候補を支援しないと表明しており、実際どうだったのか気になるところです。
結果的には、無所属で立憲民主党が支援した候補と自民党候補が当選しました。
このうち自民党候補は40,349票(有効投票数の26.3%)獲得していますが、4月23日行われた大田区議会選挙での自民党候補の総得票数は64,448票(有効投票数の23.5%)であり、この票はほぼ自民党支持者からのものであることが伺えます。要するに創価学会員は自民党候補に投票していないと言えると思われます。公明党支持者はどうしたかと言うと大部分が棄権で、投票に行った人は都民ファーストの候補に投票した人が多いと思われます。と言うのは大田区議会選挙の際の都民ファーストの得票数は12,377票ですが、補欠選挙では20,710票と約8,000票増加しているからです。維新も16,850票から30,863票と倍増しているのですが、大阪や兵庫での両者の攻防を考えると創価学会員が維新の候補に投票したとは予想できません。ただし維新が大阪、兵庫の公明党候補の選挙区に候補を立てないことを条件に、東京で創価学会員は維新に投票することが交渉されているとすれば、ありえないことではありません。しかしこれでは自民党と同じであり、組織の弱体化を招くことから維新がこの取引に応じるとはちょっと考えられません。それよりも公明党は都議会と来る衆議院選では都民ファーストと共闘することが考えられます。都議会で両党が共闘すれば49議席となり約4割の勢力となり、議会を主導できます。そして衆議院選挙では都民ファーストが候補者を立て、創価学会が支援することになります。小選挙区で何人か当選するかも知れないし、少なくとも比例区では議席を確保できます。前回2021年の都議会選挙では自民党が50を上回る議席を獲得し大勝するとの新聞予想に対し、結果は33議席(それまでは25議席)で惨敗と言われました。一方大敗が予想されていた都民ファーストは31議席獲得しました(それまでは45議席)。これは創価学会が公明党が候補を立てていない選挙区では自民党候補ではなく都民ファーストの候補に投票したからです。要するに公明党と都民ファーストは都議会選挙で協力の実績があるのです。公明党が東京では自民党に協力しないというのには、こういう背景があります。