マイナカードトラブル、河野大臣が元凶

マイナンバーカードに関するトラブルが相次いでいるようです。トラブルの内容としては、大きく次の5つに分類できるようです。

(1)コンビニ交付サービスでの誤交付、

(2)マイナ保険証の誤登録

(3)公金受取口座の誤登録

(4)マイナポイントの誤付与

(5)マイナポータルでの他人の年金記録閲覧

これの原因を探っていくと政府・デジタル庁がトラブルの発生を承知のうえで導入を進めたことが伺えます。

例えば(1)のコンビニ交付サービスでの誤交付の原因として、同じ自治体の住民がほぼ同時に、それぞれマイナカードを使って戸籍証明書を申請したところ、後の人の処理が先の人の処理を上書きしてしまい、先に申請した人にも後から申請した人の証明書が発行されてしまったことが挙げられていますが、これはシステムの未完成によるものです。

(2)のマイナ保険証の誤登録の原因として、健康保険を運営する組合などが、加入者の健康保険証とマイナカードを紐付ける際に入力を誤まり、警告が表示されても毎度のこととしてやり過ごすなど、マニュアルを逸脱した処理が常態化していたことが挙げられていますが、これなど導入の準備が不十分だったことが伺えます。

(3)公金受取口座の誤登録の原因として、

・自治体の窓口で直前に利用した人が画面をログアウトせず、次の人が手続きを行ったため。

・確定申告の還付金の受取口座を登録する方法の際、国税庁において登録申請者を同姓同名の別人と取り違えたことにより誤登録された。

ことが挙げられていますが、これもシステム完成度の低さが伺えます。

(4)マイナポイントの誤付与の原因として、自治体のポイント申し込み窓口で登録する際、前の人がログインしたままの画面で申し込みをしたため、前の人のカードの情報と自分が登録する決済サービスがひも付いたことが挙げられていますが、これは事前の運用チェックの不足によるものです。

(5)マイナポータルでの他人の年金記録閲覧の原因について、ご入力した個人情報が偶然別人と一致したためとされていますが、これも事前に十分なチェックがなされていないことが原因です。

これらから分かることは、十分な準備をせず、システムの完成度が低いまま運用に供していますので、システムの開発者としては、これらのトラブルの発生は予期していたと思われます。民間企業では損害賠償の問題になるためあり得ないことですが、マイナカードシステムの場合、デジタル庁は損害賠償責任を負わないとなっているようなので、トラブル発生の前提で運用を始めたようです。

今回のマイナカードトラブルの元凶は河野大臣です。河野大臣が保険証を2024年秋から、運転免許証を2026年からマイナカードに一本化する方針を決めており、開発現場はこれに向けて走るしかない状況です。この目標の下ではシステムの運用チェックに時間がかけられず、運用しながら不具合は直すことにせざるをえません。従って今回のトラブルは、開発陣も河野大臣も想定内のことであり、なんら驚きはないと思われます。むしろ利用者に大きな損害が出ていないことを開発の成功と認識していると思われます。

河野大臣で思い出すのは、防衛大臣として閣議決定まで済んで地元との調整が始まっていた陸上イージス計画を突然中止にしたことです。勿論最終的には安倍首相が承認し閣議で正式に承認されたので手続き上は問題ないのですが、代替策は何ら示されず、その後代わりにイージス艦を2隻建造することとなりました。イージス艦だとドック入りなどで常時対応できないということで陸上イージスに決定したのに、イージス艦を増やすでは解決策になりません。このとき河野大臣の思考はインプットとアウトプットがあるだけであり、検証が欠けていることに気付きました。これは我儘に育ったお坊ちゃまの思考形態です。河野大臣も大政治家一家に生まれ、かつ実家は有力企業を経営しているという典型的なお坊ちゃまです。そのため自分が判断したことは絶対であり、あとは何が起きても開き直りです。最近河野大臣のツイッターや会見でも、河野大臣の短絡的、独善的性格が明らかになっており、首相にしてはいけない人のように思われます