NHK受信料は不正しなければ使い切れない額

9月26日NHKは、報道局の記者が不正な経費請求をおこなっており、第三者委員会を設置のうえ調査を進めると発表しました。NHKは不正請求をおこなっていたのは30代の記者で、請求した経費のなかには知人との私的な飲食の費用、数万円が含まれている疑いがあると発表していますが、週刊誌では、「知人との私的な飲み会だけでなく、ひとり飲みの食費も経費として請求しており、その額は年間300万円以上。さらには、会費制の飲み会で支払いを記者がおこない、その金額を会社に経費として請求し、集めた会費は自分の懐に入れるという二重取りをしていた」と報じています。この記者は警視庁の捜査一課担当したこともあり、いわゆる“夜討ち朝駆け”にがんばるタイプで、上司からの覚えがよく、経費の請求が大目に見られエスカレートして行ったようです。この記者は民放記者にNHKの潤沢な経費を自慢し、民放より低いと言われる収入も残業代を入れれば負けないと言っていたようですが、このことがNHK受信料の問題点を端的に表しています。

NHK受信料の問題点は、年間約6,700億円ある受信料は正当な業務では使い切れないということです。そのためNHKでは今回のような不正経費の使用が次々と発覚します。良くあるのがタクシー券の不正使用で、これは予算消化のためタクシーチケットが各部署にばら撒かれることから生じる問題です。予算が厳しい会社では先ず起こり得ません。

NHKは福利厚生費も潤沢と言われており、社宅が安いばかりでなく、自宅を購入した社員にも月5万円の住宅手当が出ていることが明らかになっています。これは受信料を職員の住宅ローンの返済に充てていることになり、受信料支払者からしたらとんでもないお金の使い方です。こうでもしないと今の受信料総額は使い切れないということです。

民放トップの日本テレビの放送売上高が約3,000億円ですから、NHKの受信料収入約6,700億円はこの約2倍以上あり、民放キー局5社の総売上に近い額です。これを番組制作で使いきるのは困難であり、1,000億円近くを設備投資に充てています。主に放送機器ですから、NHKにはほとんど使っていない放送機器が倉庫に大量に眠っていると思われます。またコロナ前まで地方局を年間4局建て替えるローテーションを組んでいました。地方局は自前の制作番組を減し、整理縮小の方向なのになぜか建物は順番に建替えています。将来NHKが民営化された際に貸しビルにでもするつもりではないでしょうか。それに地方局の業務は減っているのに要員は減っていません。例えば福岡局ではアナウンサーが16人もいます。自主制作番組は少ないですから、1日に1つ仕事があればよい方ではないでしょうか。これも受信料収入が多すぎる故の人員配置と言えます。

このようにNHKの最大の仕事は、NHK受信料を余らないように使い切ることであり、これが不正を生む原因になっています。高い受信料を払わされる受信契約者からするとNHK制度の見直しが望まれますが、NHKを党営放送局のように利用したい自民党には見直す気がありません。我々としては選挙で自民党に投票しないことでNHK制度の見直しを実現する必要があります。