北九州市は工場の延長のような町
10月16日、法事があり久しぶりで北九州市小倉に行きました。博多駅で熊本から来た老夫婦と新幹線で合流し、小倉駅で降りました。法事は11時からだったのですが、老夫婦か近所に配るお土産を買っておきたいと9時40分頃には小倉駅に着きました。そこからお土産売り場を探し、法事の会場に移動するのにタクシー乗り場を探す際に、「これこそ北九州」と感じたことがありました。
先ず3階の新幹線改札口を出ると大きな南北の通路があり、ネットの小倉駅の案内図ではその正面に「おみやげ街道」という大きな土産物売り場があることになっていましたが、見当たりません。そこで改札で「ここを出たら大きな土産売り場があると思うのですがどこでしょうか」と聞いてみました。そしたら駅員は面倒くさそうに「土産売り場?そんなものどこでもありますよ」と言いました。まるで「そんなこと俺の仕事じゃないから聞くな」という態度でした。正面には大きな売り場の有る建物があるのですが、入り口付近は喫茶コーナーで土産物売り場はありません。そこで中に探しに行くと、そこの奥に「おみやげ街道」と書かれた売り場がありました。駅員なら知っていても当然だと思われました。
そこでお土産を買い、時間があったので喫茶コーナーで飲み物を飲んだ後、駅のコインロッカーに土産物を預けて法事の会場に向かうためにタクシー乗り場を探しました。法事の会場は小倉城方面だったので、小倉城口に向かいました。小倉城口は3階の通路がバス乗り場とその先の大きな道路を跨ぎ、対面のビル街に続いていました。通路の左右にバス乗り場への降り口が8~10カ所あります。右手には降車場への階段がありますが、タクシー乗り場の案内はどこにもありません。そこで改札まで戻り年配の駅員に「タクシー乗り場はどこでしょうか」と聞きました。その駅員は割合愛想よく「通路をまっすぐ行けばありますよ」と言いした。そこで小倉城口に戻り長い通路を見渡しましたが、最後はビル街に続いておりタクシー乗り場は有りそうにありません。そこで近くのベンチに座っていた60代くらいの女性に「タクシー乗り場はどこでしょうか」と聞いてみました。そしたら「タクシー降り場は下」とぶっきら棒に答えました。そこで左手の下り階段を指して「あそこから降りればいいですか」と聞くと頷きます。その下り階段のところに行くと下は何となくバス乗り場のようにも思えますが、仕方ないので降りてみました。そしたら案の定郊外向けのバス乗り場でしたが、その乗り場の奥(駅ビルの1階)にタクシー乗り場があることが分かりました。そこでまたバス乗り場から3階の通路に戻り、駅ビル1階に下りる階段を探します。通路の案内は地上2.5m付近にあるのですが、タクシー乗り場の案内は全くありません。仕方ないので駅ビル側に歩いていくと下りエスカレータがあり、エスカレータの手すり付近に下方向の矢印とタクシー乗り場の案内がありました。多くの駅ではタクシー乗り場はバス乗り場と同じく誰でも分かるように案内されていますが、小倉駅は全く違いました。ただし後で法事参加者に聞いたところ北口では通路の突き当りがタクシー乗り場になっており、直ぐ分かったということでした。改札を出たところか通路の各所にその旨の案内がありそうなものですが、小倉駅にはありませんでした。
これを経験して北九州市の特色が分かったような気がしました。北九州市には仕事で何度か来たことがありましたが、そのころの印象は「川崎市に似ているな」でした。大きな町なのですが、どこか殺風景で町に遊び心や潤いがないのです。町は整理整頓が行き届いた工場のイメージです。工業地帯として発展した町だからかも知れません。そのため住人も工場勤めの人が多く、対人関係は得意でない人が多いように思われます。それが駅員などの態度に表れているように思われました。
北九州市は100万人を超えていた人口が減り続け現在約92万人となっています。今後も製鉄所を中心に工場従業員が減るのは間違いなく、人口の底は見通せない状況です。そうなると移住者に期待したいところですが、小倉駅の案内に見られるように新参者にやさしくないようではそれも期待できないと思われます。北九州市と反対に人口が増え続ける福岡市の博多駅や天神の案内は、日本語・英語・韓国語・中国語と4カ国で作成されており、かつ文字が読めなくても分かるピクトグラムの案内も豊富です。だから福岡市では新参者でも迷うことはありません。新参者が迷わないように配慮した町づくりになっています。北九州市が移住者を増やそうと思うのなら、町の案内においても福岡市を見習う必要があると思われます。