小池首相誕生の予感
自民党の裏金疑惑の捜査が続いています。この捜査では検察リーク情報が溢れ、リーク劇場の様相を呈しています。こういう場合、検察がシナリオを描いて情報操作している場合が多く、エピローグは決定済みのことが多いです。本件でのエピローグは、裏金の金額が大きい小者議員数名を起訴し終了(幹部は起訴されない)と予想されましたが、今の状況はその通りとなっています。これは政府と検察が交渉して出来上がったシナリオであり、政府はこのシナリオに沿って自民党の信頼回復策を実施することとなります。それが自民党が年明けに設立した政治刷新本部です。自民党の裏金問題ですから自民党刷新本部とすべきなのに、政治としたのが自民党らしい誤魔化しです。ここから自民党の信頼回復に繋がる改革案が出てくるとは思われず、自民党の危機は続くことになります。
今の自民党の危機は裏金問題と岸田首相の不人気が原因ですが、後者の方も深刻です。裏金問題以前に支持率は30%を切っており、末期的症状でした。これは岸田首相の人間性を評価しないという有権者の意思表示であり、岸田首相の交代なしには解決できません。そこでこの秋の自民党総裁選では岸田首相の続投はあり得ず、新しい総裁(首相)が誕生するものと思われます。
次の首相の予想が報道でも溢れてきていますが、その中で女性首相の誕生が勢いを増しています。それは、自民党が有権者に期待を持たせる唯一の方法が歴史上初の女性首相を誕生させることだからです。その候補としてはこれまで高市早苗内閣府特命大臣と上川陽子外相が挙げられています。高市大臣は前回の総裁選に立候補し3位になっていますから当然ですが、上川大臣は昨年9月の外相就任後突然浮上しました。これは自民党内で高市大臣より上川外相が御しやすいという印象があるためだと思われます。
私も上川議員には以前から注目していましたので、外相就任によって首相候補に浮上すると考え、2023年9月26日「日本のサッチャーは高市早苗から上川陽子へ」というブログを書きました。その後そういう流れになっていますので、予想通りと言えます。しかしここにきて上川首相はないと思えてきました。それは裏金問題が出て有権者の自民党への失望が大きく、上川首相ではこの逆風を変えられないと思われるからです。上川外相は有能であり外相の仕事もそつなくこなしていますが、上川外相の人となりややりたいことは全く見えてきません。まるで有能な業務遂行ロボットのようです。一方高市大臣は報道で首相候補筆頭に挙げられやる気満々ですが、自民党内で人気がなく、かつ有権者の中で人気があるのはネット民の間に限られます。そしてこのネット民は少数派であり、かつ投票に行かない人が多いように思われます。従って高市首相でも自民党の逆風は変えられないと考えられます。二人を例えるなら、上川外相が女岸田であり、高市大臣が女石破ではないかと思われます。
そんな中報道である政治評論家が小池東京都知事を有力候補に挙げていたのを思い出しました。この記事を読んだときは、小池知事は東京都知事であり自民党議員ではないから話にならないと思っていましたが、どうもそうでもないようです。というのは、東京都知事の任期は今年の6月30日までですし、自民党総裁選までに自民党議員に返り咲く可能性が出てきたからです。というのは、東京15区選出の柿沢未途議員が昨年12月公職選挙法違反で逮捕され、柿沢議員は容疑を認めているということですから、いずれ議員辞職、補欠選挙が行われると考えられます。ここに小池知事が立候補すれば、都知事の実績もあり当選する可能性が大きく、その後首相含みで自民党に復党することが考えられます。自民党の中には小池嫌いが多いと思われますが、小池首相だと有権者の期待が大きく、逆風を変える可能性があることから、反対できないと思われます。
このように小池首相誕生は現実的に十分あり得ます。自民党ではなく日本維新の会と合流すれば、次の総選挙で日本維新の会が政権を取り、小池首相となる可能性もあります。