熊本県の第三者委員会報告書の公表時期に注目!
昨年11月6日の蒲島知事5選不出馬表明に伴う熊本知事選挙は、12月26日に幸山元熊本市長が、今年1月9日に木村前副知事が出馬を表明し、両者の一騎打ちになりそうな様子です。選挙は3月7日告示、3月22日投開票の予定となっています。
こうなると気になるのが公益通報された熊本県の旅行割引事業「くまもと再発見の旅」に関する不正な助成金受給問題や県庁幹部による見逃し指示疑惑を調査している第三者委員会の報告書公表です。なぜかと言うと報告内容が県知事選の結果に影響することが考えられるからです。本件では、不正受給に関してTKUとTKUヒューマン幹部が社名は公表しないよう県の幹部に要請した経緯について、県の担当課が作成した文書が関係幹部に配布されており、文書には配布幹部名が記載されていますが、その中に蒲島知事と副知事2名が入っています。配布文書には手書きで「知事には伝えない」と記載され、蒲島知事は見ていないと言っていますが、木村副知事は見ている可能性があります。本件業務は木村副知事の担当ではなかった可能性が高い(木村副知事は総務省などの中央官庁の折衝などが担当で、県庁内の実務の多くは職員上がりの田島副知事が管掌していた可能性が高い)ですが、木村副知事の対応も当然問題となります。従って報告書の内容次第では、木村氏の知事選の得票に影響する可能性があります。このことが報告書の公表時期に影響することが考えられます。
もう1つは、本件では蒲島知事の監督責任は免れず、報告書の内容によっては蒲島知事の功績に泥を塗ることになります。そのため報告書の公表を蒲島知事の任期終了後とすることも考えられます。そうすれば副知事は2名とも退任することになり、また担当部課の部長や課長はその前に退職や移動で処分を無効化できます。このケースは第三者委員会が蒲島知事に最大の忖度をするケースです。本件の第三者委員会のメンバー3人のうち2名は、2018年に熊本市議会議員の議員資格取り消しが問題となった熊本県の自治紛争処理委員会(熊本市議会のある市議に対する議員資格取り消し決定を無効とした)の委員であり、蒲島知事の信頼が厚いように思われます。これが逆に作用して2名の委員が蒲島知事に忖度する可能性も考えられます。
本件第三者委員会は昨年10月5日に発足しており、調査には通常3か月+1~2か月要すると考えられます。そうなると今月または2月中が報告書の公表時期となります。2月も後半だと知事選公示日近くとなりますので、2月中旬までがリミットでしょう。
私としては、熊本市議会議員資格取り消しに関する自治紛争処理委員会で毅然たる態度を示した委員2名が今回も毅然たる態度で報告書を仕上げていることを期待します。
尚、今週この題でブログを書こうと思っていたら熊日電子版に同様の題の記事がありました。私は熊日電子版購読者ではないので内容は見ていませんが、いいタイミングだと思いました。本件の追及は新聞協会賞を受賞してもおかしくない内容のものであり、最後までしっかり追いかけて欲しいと思います