福岡県庁は久留米か飯塚に移転した方が良い
総務省が4月12日に発表した2023年10月1日時点の日本の人口推計で、福岡県の人口は510万3,000人と、北海道(509万2,000人)を抜いて全国8位となったということです。2道県とも前年から減少しましたが、福岡県が1万3,000人(0・26%)の減だったのに対し、北海道が4万8,000人(0・93%)減少したため逆転したということです 。
10年前の2013年の人口推計では、北海道が全国8位の543万1,000人、福岡県は9位の509万人です。福岡県は2020年の513万5,000人まで増加傾向でしたが、その後は3年連続で減少していますが、北海道では福岡県を上回るペースで人口減少が進んでいます
福岡県の人口は、死亡数が出生数を上回る自然減となっているものの、転入者が転出者を超える社会増の状態は続いており、福岡市を中心とした転入増が影響しているとみられます。
それでも人口に占める75歳以上の割合は前年比0・6ポイント増の15・2%。15歳未満は同0・2ポイント減の12・6%で、少子高齢化は進行しているということです。
本記事が掲載されていたヤフーニュースのヤフコメには多くの書き込みがあり、福岡への関心の高さが分かります。それも他の地域の人たちの書き込みで、福岡は物価が安く、食べ物がおいしく、空港も近くて便利という声が多いです。でもこれは福岡市のことであり、福岡県の実態は知らない人が多いように思われますので、少し説明します。
福岡県は、福岡市と北九州市とその他の地域に分けられると思われます。福岡市は言わずと知れた人口165万人の大都市で、若者の割合が高く活気あふれる都市です。天神の若者の割合は東京渋谷を上回ると言われています。それも女性の割合が多いため、若い男性からの評判が高いようです。町もビルの建て替えが進んでおり、近代化が進んでいます。都市機能の充実につれ資産価格も上がってきたようで、中古マンション価格は4割上昇していると言われています。それでも神戸の8掛けくらいではないでしょうか。だから東京や大阪から来た人にとってはまだ不動産価格が安いと感じるはずです。その原因は大企業が少なく、中小の流通サービス企業が多く、所得が低いことです。それでも九州内では比較的賃金が高いことから九州各地から若者が集まってきます。一方福岡市の高校や大学卒業者は東京の大学や会社に就職する人が多いと思われます。だから天神で見かける若者の多くは福岡市以外の出身者と見た方がよいと思います。今の天神の若者の多さを見ればもうしばらく福岡市の膨張は続くと考えられます。
北九州市は古い教科書では北九州工業地帯として掲載されていた工場の町です。今では新日鉄の工場が廃止されたりして往年の面影はなくなりましたが、町は簡素で合理的な配置の工業都市の雰囲気のままです。若者はこの雰囲気が嫌いのようで、福岡市への転出が多いようです。人口の減少と高齢化が深刻と言われていますが、地震が少なく工場用地も豊富で工業インフラも整っていることから、今後工場の立地が進むことが考えられます。やはり北九州の生きる道は工業都市だと思われます。
この2つの都市は政令指定都市であり、多くの事務が県から委任され、県なしでもやっていける存在です。そこで福岡県と言えばこの2つの都市を除いた地域と言うことになります。この地域の人口は、福岡県の人口510万人から福岡市165万人、北九州市92万人を引いて253万人となり、宮城県や新潟県の人口と並ぶこととなりますから、やはり大きな自治体であることになります。
福岡県庁はこの地域を束ねる存在であり、必要性が薄い福岡市や北九州市にある必要はありません。そこで久留米市か飯塚市に移転することが良いように思われます。そうなれば県庁が移転した町が栄えることとなり、福岡県に関西と同じような三都物語が生まれることになります。