政府の無責任な就活ルール継続に騙されるな

政府は10月29日、大学生の就職・採用活動ルールについて、平成34年春入社となる現在の1年生以降も当面は現行の日程を維持すると決定したとの報道がありました。全く無責任な決定です。経団連が廃止を宣言しているのに、実効性が期待できない就活ルールを形式的に続けるのは、一部の学生に大きな不利益を与えることとなります。多くの学生は、こんなルールなど無視しますし、大部分の経団連加盟企業もリクルーター採用などで現行のルール通りやることはありません。

この決定で一番損をするのは、まじめにこのルールに従い就職活動を行う一部の学生です。彼らがルール通りに3年次の3月1日から就職活動を開始したら、その他の多くの学生にはその頃内定が出ているはずです。企業において必要とされる人財は、人より先んじることが出来る人、ルールの隙間をついて成果が挙げられる人であり、政府が継続を決定した実効性が期待できないルールに従って就職活動を行う学生は、それだけで企業は必要としないと言うことになります。

私が就職する頃にも就職協定と言われるものがあり、4年次の10月1日が就職活動開始(会社訪問解禁)の日となっていました。就職についてあまり考えていなかった私は、それを鵜呑みしてこの通り10月1日に就職活動を開始しました。しかし、その頃には多くの同期は内定が出ており、10月1日は正式決定の日だったのです。その為、大学の求人企業の掲示も有名企業はなくなっていました。後で友人に聞くと、4月くらいから先輩のリクルーターに誘われて会社訪問をし、6月頃には内定を貰っていたということでした。私が出遅れたのは、就職に対する意識が低かったからですが、こういう形骸化した就職協定の存在も問題があったと思います。そして、今の状態は、その頃とそっくりなのです。

学生の皆さんは、就職ルールはもう完全に撤廃されたと考えて就職活動を行う必要がります。