携帯電話汚染

携帯電話の料金値下げを議論する総務省の審議会の座長や委員の少なくとも8人が過去に、携帯大手NTTドコモやKDDI側から研究寄付金を受け取っていたことが判明したとの報道がありました。うち2人はKDDI財団の理事に就任していたというから驚きです。

こういう場合、良心があれば利害関係者として審議委員には就任しません。2人は総務省にその事実を伝えていたということですが、他の6名は隠していたわけで、悪質です。このような委員は即刻審議委員を辞任すべきだと思います。公正な審議は期待できません。

携帯電話3社は、2019年3月の決算では、売上収益約13兆円、営業利益約3兆円、営業利益率20%以上が予想されます。日本でこれだけ恵まれた業界が他にあるでしょうか?営業利益は日本一の企業であるトヨタをも上回ります。トヨタ以上にたくさんの人を雇用し、有益なサービスを提供しているでしょうか?答えは否です。通信回線や通信機器は他のメーカーが作っており、彼らの特殊なノウハウはありません。彼らの利益の源泉は、国から3社のみが携帯電波の割当を受けていることにあります。そして、3社で協調して、3社が共に儲かる仕組みを作っていることにあります。電波は国民の財産なのに、この財産を使って国民からあらん限りの搾取を続けているのです。この状態を作ったのは、なんと総務省です。総務省は旧逓信省の流れを汲む部署を抱え、ここが携帯電話行政を司り、国民生活に不可欠な携帯電話を使い、携帯電話3社が国民から搾取するシステムを作り上げたのです。

このような総務省の官僚は、携帯電話3社にとっては神様のような存在です。従って、退官後は三顧の礼を以て迎えるのは当然です。しかし、直接携帯電話3社に迎えると事後収賄を疑われますから、そんなことはしません。携帯電話3社が巨額の資金を流している会社で迎えることになります。例えば、3社は大量のテレビ広告を行っていますが、その際に使う広告代理店が代表的です。最近、元総務省事務次官が電通の取締役に昇格する予定との報道がありましたが、これなどはその典型例だと思われます。

携帯電話事業は利権がすべてですから、電波関係の審議会の委員に就任しそうな学者に携帯電話3社から研究費や助成金などの名目でお金が渡っていることは当然予想されることです。従って、携帯電話料金の値下げの検討会に学者を加えることは不適切なのです。電力やガスのような公益企業の営業利益率約5%まで値下げが必要なことは明白なのですから、経営コンサルタントで構成した委員会で審議するのが適切です。今のやり方では、形だけの値下げ終わります。携帯電話3社が家計から巨額のお金を吸い上げているせいで、家計は食費を削って凌いでる事実を直視する必要があります。