BBCの受信料廃止、日本では報道管制が敷かれてる?

2月17日共同通信は、6日付の英日曜紙サンデー・タイムズの報道として、英国政府がBBC受信料廃止を検討している、と報じました。やっと日本でも報道されたか、という感じです。

この事実は、昨年12月には明らかになっていたことであり、昨年12月に日本で報道されるべき内容でした。

昨年12月12日投開票が行われた英国の総選挙で保守党が圧勝し、この結果保守党党首のジョンソン首相が掲げた欧州連合(EU)からの離脱が確定的となりました。このことは日本でも良く報道されていますが、この選挙の際にジョンソン首相が行ったもう一つの重要な公約が「公共放送BBCの受信料廃止を検討する」という公約でした。ジョンソン首相の前のメイ首相のときには、あれだけ拮抗していた英国世論がジョンソン首相が打って出た総選挙ではジョンション支持に流れを打ちました。その要因としてジョンソン首相がこの公約を掲げたことが影響したと考えられます。BBC受信料はそれ程英国国民の反発を買う制度だったのです。

BBCの経営は、ほぼ年間約22,000円の受信料(受信機1台当たり)で賄われています。英国では不払いには刑事罰(最高143,000円の罰金)が科されるため、受信料の支払い率は100%に近くになっています。これに対してジョンソン首相は、メディアが多様化した現在BBCだけ受信料で賄う理由はなく、また受信料が事実上税金となっているとして、視聴する分だけを支払う課金制(スクランブル放送化)が望ましいとの考えを示し、これを公約にしたのです。英国は、EU離脱を国民投票に掛け、賛成52%反対48%という僅差であっても投票結果に従って行動する国ですから、保守党政権である限り、BBC受信料は廃止されること確実です。

BBC受信料は、NHK受信料のモデルとなったものであり、これによってNHK受信料制度も根拠がなくなったと言えます。昨年7月の参議院選挙でNHK受信料制度の廃止、NHKのスクランブル放送化を公約とする「NHKから国民を守る党」(N国党)が1議席を確保すると共に選挙区で2%以上の票を得て国政政党となりましたが、ジョンソン首相の公約はN国党と同じものです。即ち、N国党の主張は極めて妥当なものであることが分かります。

ジョンソン首相のBBC受信料廃止は、賛否が拮抗していた英国の世論を一挙にEU離脱支持に変える程重要な公約でした。従って、そのことは同じ問題を抱える日本で速やかに報道されるべき内容でした。この報道はネットでは小さな記事が2,3見られましたが、大手新聞や雑誌、テレビは全く報じませんでした。英国総選挙の様子や結果は大々的に報道しているのに、です。これは、NHK受信料問題に影響することから、意図的に報道を控えたものと考えられます。大手新聞社の場合、子会社として全国ネットのテレビ局を抱えており、新聞の購読部数が減少する中でテレビ局の稼ぎが重要な割合を占めて来ています。そんなテレビも、多チャンネル化、ネット有料放送の増加、テレビよりインターネットという人の増加などにより、視聴者が減少し、スポンサー離れ・広告減少の傾向にあります。ここでNHKが公共放送から民間放送になったら、スポンサーや広告の取り合いとなり、テレビ局の経営を悪化させます。そこで大手新聞社としては、NHK受信料制度はこのままにしておきたいのです。従ってNHK受信料見直しに繋がる可能性が大きい英国保守党政権のBBC受信料廃止の公約は、日本では報道しない方針を採っていると思われます。大手新聞社は、自社の不利益になる内容は報道しない、放送利権を守ってくれる政治家や官僚の不祥事も報道しないことによって、自社の特権(新聞購読料の消費税は8%据え置き)や放送利権を確保しているのです。

英国保守党政権のBBC受信料廃止の公約は、NHK受信料に不満を持つ全国の人にとって勇気を与えることであり、なるべく多くの人に知って貰う必要があります。大手新聞やマスコミが報道することは期待できませんので、N国党でネットや街頭で衆知して貰うと共に、これを知ったネット民も拡散して欲しいと思います。NHK受信料廃止、NHKスクランブル化の環境は整ってきました。