国立文系学生の二刀流はコンピュータプログラムの習得から

以前ブログで国立文系学生の進むべき方向は文理二刀流だと書きました。これは共感できるとして、じゃ文系の学部に在籍していて理系の学問として何を身に付けることができるのか分からない人が多いのではないかと推測します。文系学生が参加できる理系の授業は少なく、武器にするレベルには持って行けないのが実情ではないでしょうか。

私の場合、仕事の関係でバイオテクノロジーや創薬の分野を10年くらい専門にやったので、相当な知識が身に付きました。ただし、実験をやって検証した知識ではなかったので、常に本物の知識ではないと感じていました。だから、現実的には本当の文理二刀流というのは難しいと思います。そもそも文系で一刀の使い手になるのも難しいかも知れません。しかし、理系で1つ詳しい分野を作る意識を持って努力することが必要です。

例えば、NHKに「ブラタモリ」という番組がありますが、タモリは早大の第二文学部出身なのに、まるで理学部地質学科出身のように地質に詳しいです。タモリの場合、高校時代に無線に嵌って大学は電気通信大学を目指したようなので、頭は元々理系だったかも知れません。理系出身者や理系頭の人が文系の分野を攻略することは難しくないのです。逆に文系系出身者や高校や大学で理系の学問を捨てた人が社会人になって理系の分野を攻略することは大変難しくなります。そのため、大学時代において文理二刀流の方向性を持ち、理系の分野の学問にも親しんでいれば、社会人になって理系の知識が必要な仕事をすることになったとき、すんなりと入っていけ、興味を持って仕事に取り組めます。

だから、大学時代に文理二刀流を完成する必要はないのですが、もし少しでも理系の素養を身に着けておきたいと思ったら、コンピュータプログラムを学ぶことをお薦めします。私は2年前からコンピュータプログラムを学んでいます。学ぼうと思った動機は、戦国武将の加藤清正について調べて本格的なレポートを作成したので、専用のURLを立ち上げ多くの人に読んで貰おうと考えたからです。今はさくらインターネットのワードプレスでブログを立ち上げ、そのヘッダー部分に「熊本城将軍の間のミステリー」という固定ページを設定していますが、実はこれが基本となるURLでブログはサブURLとなっています。ブログはワードプレスに準備されているサンプルをカスタマイズすればよいので、大したプログラムの知識はいらないのですが、「熊本城昭君之間のミステリー」をURLにアップするには、原稿をHTMLというコンピュータ言語で書かないといけません。それでHTMLを勉強しました。またブログを運営するとなるJavaScriptとPHPというコンピュータ言語も分かる必要性が生じました。そこでこの2つの言語の勉強を始めました。その間、ある日本屋でコンピュータコーナーを覗いていたら、今はPythonというプログラムが人気だと分かり、これにも手を出してしまいました。だから約2年間で4つのプログラム言語を勉強するはめになりました。そのため、未だどれもものになっていませんが、大体プログラムの全体像は分かってきました。

このプログラムの勉強で分かったことは、プログラムはアルファベットや英数字で書くのですが、アルファベットの1字でもミスがあるとプログラムは動きません。何百字と書いた後で1字のミス(バグ)を捜すのは大変な作業です。プログラマーがこのバグ潰しで苦労することが理解できました。文系の場合、使うのは文字が多く、文字の場合実体をイメージで伝えて行きますので、厳密さは余り必要とされません。理系の特徴は、表現と実体が厳密に一致することが要求されるところにあります。車でも電気製品でも曖昧な部品は許されません。しかしこれが仕事の基本です。理系の素養を持つということは、表現と実体の厳密な一致の重要性を肌で理解することだと思われます。その為には、文系学部在学中にコンピュータプログラムを修得するのが良いかも知れません。会社に入って修得することは、時間の関係で難しいと思います。例えば法学部の学生で会社へ就職する予定なら、法律知識よりコンピュータプログラムの知識の方が遥かに役に立つはずです。