自民党総裁選、岸田議員と高市議員の決選投票になる!?

自民党総裁選は9月17日に立候補が受け付けられ、岸田文雄議員、河野太郎議員、高市早苗議員、野田聖子議員の4名の争いとなりました。野田議員が推薦人20名を集められたのは驚きですが、候補としては論外です。そこで岸田議員、河野議員、高市議員の争いになると考えられます。各議員の決起集会への参加議員数を見ると、100名前後で競っています。これまで新聞・テレビは、岸田議員、河野議員の一騎打ちで高市議員は咬ませ犬という報道でしたが、様相が異なってきています。新聞・テレビは、東京都議会議員選挙の予測も外しており、実社会と乖離した存在となっています。それは新聞が消費税の軽減税率、テレビが安い電波使用料という特権を自民党から与えられているため、自民党に勝って貰いたいという気持ちが強すぎることが原因です。客観的データではなく願望で報道しているのです。

新聞・テレビの総裁選の予想も願望が強く入ったものとなっています。当初NHK改革を公約に入れ、総務大臣時代にテレビの免許停止もあると述べた高市議員だけは総裁になって貰いたくないという意図が見え見えでした。

しかし最近これが変化してきています。ひょっとしたら高市総裁もありうるというニュアンスを入れて来ています。それは各候補が政策を発表し、記者会見に臨んだ結果、各候補の政策の完成度や人品が分かってきたからだと思われます。岸田議員は、政策は網羅的であり割と完成度は高いのですが、周りの議員やスタッフが作った感が強く出ています。人品は誠実で温和であり評価は高いと思われます。河野議員の政策は従来の主張を後退させ、支持者を増やすために曖昧な表現に徹しています。そのため河野議員の説明を聞くたびに評価が低下しているように思われます。人品の評価は、これまでの唯我独尊に加え、直前に官僚にパワハラしたという報道があったことから、パワハラ体質の評価も加わり、芳しくありません。これらにより河野議員は支持を伸ばしていないと言うより、支持を減らして来ていると思われます。

この中で最も支持を伸ばしているのが高市議員です。あるネットの調査では80%近い支持を集めています。支持するコメントを読むと、ぶれない、政策を網羅してある、分かり易い、自分で考えている、自分の言葉で喋っている、コミュニケーション能力があるなど360度高い評価となっています。これはこれまでの総裁候補になかった傾向です。それにこれらのコメントの書き込み者は殆どが無党派層であり、自民党政治に嫌気がさし、次の総選挙では自民党に投票しないと決めていた人たちです。それが高市首相となったらもう1回自民党に投票すると言っています。自民党が東京都議会議員選挙や横浜市長選挙で敗れたのは、自民党岩盤支持者が減少したからではありません。自民党岩盤支持者は他党に投票するはずがなく、一生自民党に投票します。減少したのは「とりあえず自民党」的な支持者です。「とりあえずビール」的な支持者と言えばよいでしょうか。この層が安倍政権の多くの不正を見て気持ちが悪くなり「とりあえず自民党」とは言えなくなったのです。これはトラウマとなっていますので、次の総選挙でも変わらないと思われます。だから自民党は次の総選挙で悪くすれば議席を半減する、少なくとも2~3割減らすのが確実な状況にあります。それを実感しているのが当選回数の少ない議員だと思われます。こんな中ネットで高市議員を支持するネット民は無党派層であり、これまで自民党に投票していなかった人たちです。即ち、「とりあえず自民党」層の減少を補う人たちです。これが分かれば当選回数が少なく次の総選挙で落選する可能性がある議員は、高市総裁(首相)にすがるしかありません。そのため今後高市議員には当選回数の少ない議員たちの支持が集まると思われます。その結果、高市議員は総裁選挙でトップの表を集めるか、2位には食い込むと思われます。そして決選投票に勝ち残りますが、ここで勝てるかどうかは予想が着きません。ここで岸田議員が勝てば自民党は総選挙で大敗し、下野もある状態となるでしょうし、高市議員が勝てば総選挙で勝利し、政権を維持できます。この総裁選は自民党の運命と共に日本に運命を決める選挙になりそうです。