自民党に投票して良いのは医師会・NHK・新聞だけ

10月31日は衆議院選挙の投票日です。多数の議席を確保すべく各党の候補者は朝から晩まで必死に投票を呼び掛けています。現職(前職)議員は議員時代に投票してくれた人のためにこんなに一生懸命に働いていたら、楽々当選するところです。ところが今回は276議席の絶対多数を誇った自民党の現職議員が大量に落選しそうです。それは安倍政権の破廉恥な政治を傍観してきた当然の報いと言えます。こんな中でも新聞の世論調査では自民党支持が35~40%となっています。今年7月の東京都議会選挙で新聞は世論調査の結果に基づき自民党は50議席回復すると予想しましたが、結果は33議席に留まりました。この結果新聞は世論調査に自信を無くしています。そのため各社とも自民党単独で過半数(233議席)確保するのは微妙だが自公で過半数は確保できると言う予想が多くなっています。これは一番無難な予想であり、どちらに転んでも自社の評価を大きく棄損しないようにとの深謀が感じられます。購読料に軽減税率(8%)の適用を受けている新聞は、政府自民党の広報誌に成り下がっており、客観的予想は不可能です。

私は自公で過半数を下回ると予想します。それは今回の総選挙が自公政権に対するこれまでの憤懣をぶつける選挙になるからです。

先ず安倍政権7年8カ月の破廉恥政治への積もりに積もった憤懣がぶつけられます。加計問題や森友問題、桜を見る会問題、甘利大臣収賄事件への司法介入、河井議員買収事件、黒川検事総長定年延長事件など反吐が出る出来事が続きました。これに安倍首相自身が耐え切れず辞任したくらいです。安倍政権で解散していたら自民党の過半数割れは間違いありませんでした。それが岸田政権になって多少雰囲気が変わってきましたが、甘利氏が幹事長になったことで分かるように、自民党の体質は全く変わっていません。そのためこの憤懣がまた頭を擡げており、自民党の票を削ります。

次にコロナで生活が破壊された人たちの憤懣がぶつけられます。何回も時短を強いられた飲食店、人流抑制で売上が減った小売店、サービス業、観光業などの従事者の憤懣がぶつけられます。またコロナに感染し医療体制の不備により不安にさいなまれた人たちも憤懣をぶつけます。

そしてNHK受信料の不条理に怒り、NHKのスクランブル化を求める人たちも憤懣をぶつけます。NHKは6,000億円近い余裕資金を持つにも拘わらず、コロナで収入が減少した人たちに受信料の減免措置をしませんでした。これに対して政府自民党は何ら圧力を掛けませんでした。これで政府自民党は国民よりもNHKを上位においていることがはっきりしました。NHKスクランブル化は国民の8割以上が賛成しており、これを阻止する自民党は国民の敵となっています。この憤懣が自民党にぶつけられます。

その他選択的夫婦別姓も国民的には賛成派が多数ですから、これに反対する人たちの憤懣もぶつけられます。

これらを総合すると前回の総選挙より自民党の票が大きく減るのは自明のことです。増える要素が見当たりません。

公明党の得票も2019年7月の参議院選挙では約653万票まで落ちており、今年7月の東京都議会選挙でも約10万票減少したと言われています。このため公明党は18歳以下への現金給付10万円を公約して票を買う戦略ですが、これが更に票を減らすことになります。公明党は支持団体創価学会の価値を棄損する存在になっており、創価学会衰退の原因となっています。今回の総選挙で公明党の弱体化がはっきりします。

このように自公には票数を伸ばす要素は何もなく、自公で過半数割れも確実です。問題は維新や国民民主と組んで政権を維持できるかどうかになっています。

こんな中で自民党に投票していいのは、どんなにコロナ感染者が増えても民間病院に病床提供義務を負わされなった日本医師会、国民の8割がスクランブル化を望んでも受信料制度が守られているNHK、世帯の6割しか購読していないのに購読料に軽減税率の適用を受けている新聞という特権3兄弟だけです。