資産家になるなら医者よりベンチャー起業家

1月15,16日に大学入学共通テストが行われ、予備校などが得点状況と大学ごとの合格可能得点を発表しています。それを見ると医学部の難易度が際立ちます。医学部なら地方大学でも共通テストの正答率9割以上がA合格率(8割以上の合格率)となっています。東大の理系学部並みです。

医学部人気が高い理由は2つあると思われます。1つは高収入なことです。医者の年収は平均数千万円になりますので、一生良い生活が保障されます。2つ目は、高校までの受験レースで医学部合格が東大と並び金メダルと見做されていることです。ならば、東大を卒業して就職するより収入が確かで社会的評価も高い医学部を目指すことになります。3つ目に人の命を救うと言う崇高な使命感と言いたいところですが、これは少ないと思われます。

ということで医学部の難易度が極めて高い最大の原因は高収入にあると言ってよいと思われます。しかしこの点を冷静に考えればそうでもないことが分かります。医者になると生活には不自由せず、社会的には富裕層に入るのは間違いありませんが、それでも日本の富豪100人(資産1,000億円目途)に入っている人はいません。1,000人(100億円?)にも入らないと思われます。果たして10,000人(10億円程度?)に入ってくるかどうかでしょう。このように入学するときには受験者の上位10,000人(全国の医学部100×定員100人)に入るのに、資産家ランキングでは何人か10,000人に入れば良いところとなります。従って医学部に進学する最大の目的である高収入と言う点は、客観的にはそうでもないことが分かります。フローは相当あっても資産面はそうでもないのです。日本の資産家ランキングの上位は企業家が占め、その資産の殆どは上場株式です。これは世界を見回して同じです。即ち将来資産家になるのを目指すなら医者よりも企業家、それも自ら起業した会社を上場させることを目指した方が良いこととなります。但し東京証券取引所に公開するベンチャー企業の数は年間約100社であり、年間約100人の企業家が資産家の仲間入りできることになります。これは医学部に合格できる人の100分の1であり、これなら医学部に進学した方が確実な人生になることは間違いありません。従って資産家になるなら医学部より東大の工学部に行ってベンチャー企業を興し、株式公開する方が良いと分かっていても、この傾向は大きく変わらないでしょう。しかし今後医者余り現象が出てくること、およびもっと大きな夢を求める人が増えて来ていることを考えると、現在勉強ができるから医学部進学という流れが変わることが予想されます。この場合、小学生や中学生から将来の職業に繋がる勉強をし、高校・大学とそれを深めて行くと言う進路になると思われます。今後の社会ではそんな人でないと成功できないと思われます。