独裁者が支配する新聞・テレビが消えるのは必然

2月10日、テレビ朝日の亀山社長の辞任が発表されました。辞任となっていますが、私的経費を会社の経費として落としたという社内規則違反が原因のようです。これはテレビ朝日スポーツ局の不祥事を調査する委員会の調査の中で発覚したようで、亀山社長直轄となっていたスポーツ局がチクったとも言われています。私的に使った経費は約60万円と言われており、普通の会社なら内々に弁済して終わりです。これが社長辞任になったのは、テレビ朝日の人事権を78歳の早河会長が握っているためと言われています。

普通の会社なら役員定年制で68歳までで役員を退任し、経営の第一線から身を引きますが、新聞・テレビ業界では、高齢者が居座り権力を維持している例が目立ちます。フジテレビでは昨年11月、50歳以上の社員を対象に希望退職を募集しましたが、フジメディアグループ最高実力者は84歳の日枝取締役相談役と言われています(77歳まで会長)。フジテレビの金光社長は66歳であり、自分ら高齢役員はそのままで50歳以上の社員の希望退職を募集することに割り切れない気持ちの社員は多いようです。日本テレビを見ると大久保会長は71歳であり、非常勤取締役には95歳の渡辺恒雄読売新聞代表取締役主筆がいます。

テレビ局の社長、会長人事は、親会社である新聞社が握っており、新聞社の最高実力者が高齢者になっていることがテレビ局の高齢者支配に繋がっています。特に読売新聞の渡辺恒雄氏は95歳の今も代表権を持っており、読売新聞の経営陣人事を差配していると言われています。渡辺氏の経歴を見ると日本の政治史の生き証人として敬意に値するものですが、かといって社会的に何かを創造した訳でもなく、ある意味政界のフィクサーです。そのフィクサーとして獲得した人心掌握術を使って読売新聞社幹部を支配している状態です。読売新聞社では渡辺経の教祖様の存在と言えます。言葉の戦場である新聞業界の豊臣秀吉、徳川家康とも言えます。

このように読売グループの渡辺恒雄氏、フジメディアグループの日枝久氏、テレビ朝日の早河洋氏を見れば分かるように、新聞・テレビ業界は独裁者を作り出すという特徴があります。それは新聞やテレビが実体を有しない言葉で人の心を、或いは精神を支配しようと試みるからです。日本は戦後長い間全世帯が新聞を購読する時代が続きました。そしてテレビは国民の娯楽の地位にありまいた。テレビ局を新聞社の系列下においたため、新聞とテレビは一体と言える存在でした。その結果、新聞は国民向けの情報を支配し、国民は新聞に良いように操作されてきました。戦後の自民党一党支配は新聞と自民党が持ちつ持たれつの関係が原因となっています。

こんな新聞も2021年度には世帯購読率が61.4%となり、発行部数も最盛期の約5,300万部から3,063万部(2021年10月末)に減少しています。その結果新聞は以前のように世論操作できなくなっています。また新聞社ばかりでなくテレビ局の業績も悪化しており、独裁者の存在を容認する原因となっている社員の高給も保障できなくなっていますから、今後は社員の忠誠心も薄れ、独裁者も存在しにくくなると思われます。独裁国家を望まない国民は新聞の購読を止め、テレビの視聴を控え、新聞とテレビが消えるのを速める必要があります。