NHK党は来年の統一地方選挙で全滅する

7月の参議院選挙でNHK党が比例代表で1議席獲得しましたが、その当選者が国会に出てこない可能性があるようです。当選者はガーシーというユーチューバ―で芸能人のスキャンダルを暴露することで人気を博していたようです。比例代表でガーシーの名前を書いた人が約29万人いたようですので、驚くべき集票力です。ガーシーは現在ドバイ在住とのことですが、名誉棄損で訴えら逮捕される可能性があることから、帰国するかどうか悩んでいるということです。帰国しない場合、参議院の懲罰委員会で処分される恐れが出てきます。懲罰は戒告・陳謝命令・登院命令・除名の4つがありますが、議員資格を失う除名が一番深刻です。除名は過去に2件しかなく、いずれも院内の秩序を乱した場合のようで、選挙で選ばれた議員を帰国しないことを理由に除名するのは難しいようです。ということで、ガーシーは帰国しなくても6年間議員の身分は保持できる可能性が高いことになります。これについてNHK党の立花党首はガーシーに投票した人はユーチューブによる暴露を期待したもので、国会での活躍を期待した者ではないからそれでも良い、と言っています。ガーシーの個人票約29万票についてはそのように考えてもよいでしょうが、ガーシー当選のためにはNHK党と書いた約83万票が必要であり、この人たちのことも考える必要があります。この人たちは多分国会には出席して欲しいと思っているはずです。

NHK党は今年の参議院選挙で国政政党の要件を満たし2028年まで政党助成金を確保したことから、2028年までの存続は保証されました。しかし来年の統一地方選挙こそがNHK党の将来を左右すると思われます。

というのは、NHK党は2019年の統一地方選挙において大躍進し、今の基盤を築いたからです。特に東京区議会選挙では23区のうち19区で議席を獲得しています。その他の地方議会選挙でも議席を得て、最盛期には地方議会で30議席を超えていたと思います。その後トラブルにより10名以上が離脱し、今の所属議員数は20名程度のようですが、その大部分が来年の統一地方選挙で改選を迎えます。2019年の統一地方選挙後に行われた参議院選挙で1議席を得たあとN国党は芸能人を待ち伏せして抗議するなど世間から顰蹙を買う行動が多くなりました。その結果、地方議会選挙では当選者を出せなくなっています。

昨年の衆議院選挙ではこの流れを引き継ぎ、1人も当選者だせないばかりか、2%の政党要件を満たせませんでした。今年の参議院選挙でも同じだろうと思っていたら、NHK党が無くなればNHKスクランブル化の旗を立てる政党が無くなることを危惧したNHK受信料に不満を持つ有権者がNHK党に投票し、奇跡的に比例代表で1名の当選者を出し、かつ選挙区と比例代表の両方で2%を超える得票を得て政党要件も満たしました。地方議会選挙でもNHKスクランブル化を求める有権者から一定の得票は期待できますが、NHK党の変化に失望している有権者も多く、前回より得票を減らすことは確実です。そうなると当選は厳しく、普通に考えると全滅するという予想となります。地方議会選挙はNHK党のビフォー・アフターに対する審判となります。