貧乏人の子供は大企業の社長にはなれない 

最近リーダーの質が変わったように思われます。それは安倍首相からです。安倍首相は成蹊小・中・高・大の筋金入りのお坊ちゃまコース出身です。私もこのコース出身者を知っていますが、育ちがいいことから人柄がいいです。そのため誰からも好かれます。しかしガツガツ勉強していないため、頭は余りよくありません。

自民党総裁は、なんだかんだ言ってもお坊ちゃまが主流です。安倍首相の前は小泉首相ですし、麻生首相、福田首相、橋本首相、それから現在の岸田首相もお坊ちゃまです。こう見てくると安倍首相のあとを継いだ菅首相の異質さ(非お坊ちゃま)が目立ちます。

これは政界ばかりでなく実業界でも同じようになっているように思われます。トヨタの豊田会長は創業家出身の自他ともに認めるお坊ちゃまです。ネットにトヨタの社員の声として「仕事については豊田会長よりできる人はたくさんいるが、豊田会長みたいに人を疑うことや妬むことを知らず、生まれつきの善良さを持ち続けている人はいない。だから大トヨタの中心に居れるのだと思う」と言うものがありましたが、なんとなくわかる気がします。今後社会のインフラ的企業(電力・ガス・銀行・生損保・放送など)の経営者は、豊田会長のようなお坊ちゃまが主流になるように思われます。これらの業界はほぼ寡占状態であり、相応の利益が保証されており、実力のある社員を経営者にする必要がないからです。それに採用でも幹部社員や取引先経営幹部の子弟が多く、お坊ちゃまが多くなります。そしてこれら企業で最も採用数が多い大学は慶大です。慶大の場合、長い人は小学校からの付き合いであり、高校からでも7年間の付き合いとなりますから、卒業生の結びつきが強くなるのは当然です。その結果慶大卒の社長が誕生すると代々慶大卒の後輩に社長を譲るケースが大部分です。長い付き合いということもありますし、特に育った環境が近く違和感がないのではないでしょうか。社会が成熟すると当然出来上がる社会現象であり、日本もこの時代に入っていると思われます。そうなると貧乏人の子供は不利であり、今後は貧乏人の子供が大企業の社長になるような立身出世物語は聞かれなくなりそうです。