N国党、悪名が有権者の期待もぶっ壊した?

N国党が地方議会議員選挙で変調を来しています。この点については維新の会の音喜多参議院議員がブログで触れています。 11月17日投票の我孫子市議会議員選挙でN国党候補は当選できなかったのです。一方これまでN国党候補に負けることが多かった維新の会候補は2名も当選しています。それもN国党候補は、維新の会の候補と最下位当選を争って落選しています。千葉県の市議会議員選挙ではN国党は7名の当選者を出しており、千葉はN国党が強い地方と思われてきました。これが1名も当選できず、それも得票率が1.9%だったということはかなりショックな出来事だと思われます。この兆候は11月10日に行われた海老名市議会議員選挙からも伺えました。この選挙では、N国党から立候補した候補は最下位で当選しましたが、得票率は2.58%でした。同時に行われた市長選挙に立候補していた立花代表が5.51%を獲得していましたから、立花代表に投票した人の半分しかN国党の市議会議員候補に投票しなかったことになります。立花代表は、10月27日投票の参議院議員埼玉補選に立候補、13.6%の票を獲得し、多くの政党関係者を脅かせました。これを以てN国党の支持率が上がっていると見る向きもありましたが、それはどうも違うようです。しかし、海老名市長選挙の5.51%という数字は、堺市長選に立候補した際の得票率5.1%を上回っています(11月24日投票の奈良県桜井市長選挙では8.28%の得票率)。立花代表が今回の海老名市長選に立候補した最大の目的は、同時に行われる海老名市議会議員選挙に立候補した候補の得票数を増やすためでしたので、目的は達成したことになります。立花代表が市長選に立候補していなければN国党の市議会議員候補は落選していたのではないでしょうか。

その後行われた安孫子市議会議員選挙は、N国党にとって海老名市議会議員選挙より当選者を出す可能性が高い選挙であったと思われます。ここで当選者を出すことが出来なかったということは、N国党の支持者に変調が現れている可能性があります。NHK受信料への不満が減少したわけではないので、その原因は立花代表が参議院議員に就任した後のN国党の評価にあると思われます。立花代表は「悪名は無名に勝る」の考え方の元に、マスコミから批判を受けることを好んでやってきました。「北方領土は戦争で取り返すしかない」発言の丸山穂高衆議院議員を入党させたり、N国党を「気持ち悪い」と発言したマツコ・デラックスの出演テレビ局に押しかけたりしました。また今年4月の統一地方選挙でN国党から立候補し、当選後離党した東京区議会議員をユーチューブで脅迫したとして告訴され、書類送検されました。これらの行為がこれまでN国党に投票して来た有権者に投票を躊躇わせる結果になっているように思います。確かに知名度を上げるに当たっては「悪名は無名に勝る」のは事実ですが、投票行動には当てはまらないと思います。やはり悪名高い政党の候補者には投票しない人が多いと思います。ネット上ではN国党の支持者は増えていますが、ネットに書き込む人は投票所に行かない人が多いのではないでしょうか?その証拠にある支持政党の調査結果によると、あるネット調査ではN国党は3.1%で2位ですが、電話調査だと0.8%で下位となっています。そして実際の獲得議席は、電話調査の結果に近くなっています。即ち、電話で支持政党を答える人は投票所に行く人が多く、ネットで支持政党を答える人は投票には行かない人が多いと思われます。「悪名は無名に勝る」から悪名で知名度を上げようと言うやり方は、実際に投票所に行く人にはあまり効果がないか、逆に作用している可能性が高いと思われます。

元ライブドア社長の堀江氏は、先ず悪名で知名度を上げて、次に投票してもらうためにいい人という印象を与えればよい、と言っていますが、一旦刻まれた悪い印象はなかなか変わらないと思います。従って、この作戦は「言うは易く行うは難し」です。

受信料に不満を持つ人は3,000万人程度いるので、寓直にNHKのスクランブル化を訴えて行くのが一番いいのではないでしょうか。それをやらないと、同じくNHK受信料問題を政策の1つに掲げる維新の会が受信料に不満を持つ人たちの受け皿になります。維新の会の政策では、NHK受信料問題は下位にあり、かつ議員の中に息子が元NHK記者でかつ同党議員である幹部議員や、娘が元NHK職員で他の政党の議員である有力議員がいるので、党としてこの問題に力を入れることはないと思われます。やはりこの問題に命懸けで取り組むのはN国党だけです。N国党には寓直にNHKスクランブル放送化を訴える活動をして欲しいと思います。