これから開業医離れが始まる

コロナのせいで病院を訪れる患者が激減し、病院の経営がピンチとの報道です。でもそれはコロナのせいだけではない気がします。先週私は、足の甲にできた赤い発疹が2週間経っても治らない為、近所の皮膚科クリニックに行きました。以前通りすがりに見かけて知っていたクリニックで、家から自転車で1分くらいの場所にありました。クリニックに着いてマスクを忘れていることに気付きました。そこで受付で、「マスクを忘れたのですが、良いですか?」と聞きました。受付の人は少し間をおいて「良いですよ」と答えました。私は、クリニックとしても院内感染に気を付けているだろうから、ダメだという返事ならマスクを取りに家へ帰ろうと思っていました。院内は、30人くらい座れるソファーがありましたが、待っている人は2名でした。報道の通り患者は少ない様子でした。15分くらいして診察室に呼ばれました。診察室のドアを開けたら正面少し左手に医師が椅子に座っていたので、「済みません。マスクを忘れました。」と言いました。医師は「エー」と嫌そうな声を出し、自分の前にある患者用の椅子に座るよう指示しました。そこで椅子に座り、診察を受けようと椅子を少し医師に近づけたら、「もっと後ろに離れて!」と怒鳴られました。私は驚いて「済みません・・」と言い、1mくらい医師から離れて座りました。ここで「二度と来ることは無いな」と思いました。医師が「どこ?」というので右足の靴下を脱ぎ、甲の患部を見せました。直径3㎝くらいの腫れが1個、2㎝くらいの腫れが1個、その他大小の赤い腫れが10個くらいありました。出来てから2週間くらい経っており、腫れは引いて来て、痒みは殆どありませんでした。このままでも治るかなと思っていましたが、直径3㎝の腫れの外周が少し盛り上がっており、真菌や白癬菌などに感染していたら厄介なので、来院したものでした。医師は1m離れてそれを見て、「かぶれだね」と言いました。私が「ダニに食われたのかなと思ったのですが・・」というと「いや、かぶれだね」と言います。何にかぶれたのか聞きたかったのですがマスクをしていないせいもあって聞けませんでした。医師は「2週間分薬を出しておきますから付けて下さい。治らなかったまた来て。では待合室に戻って。」と言います。薬についての説明は何もありませんでした。早く診察室から追い出したいようでした。私が一礼して椅子から立ち上がると、「病院にはたくさんの人が来るからマスクはちゃんとしてこないと」と言います。マスクをしていなかったことが尾を引いているようでした。私は再度「済みません」と謝り、診察室を出ました。まったく気分の悪い医師でした。コロナに感染している人は1%もいないのに、まるでコロナ感染者のように扱われました。こんなことをするのなら、受付でマスクをしていない人は診察できませんと断らせればよいのです。

この後更に驚くことが待っていました。薬の処方箋を持って隣にある調剤薬局に行くと、ステロイド系の塗り薬10gと抗ヒスタミン系の内服薬を渡されたのです。10gというとかなり大きなチューブです。この大きさにびっくりしているのに、更に内服薬も渡されびっくりです。私は以前発疹で別の皮膚科に行き、そこでステロイド系塗り薬5gを貰い、まだ大部分が残っていたので、塗り薬がそんなにいらないことは分かっていました。それはまあ良いのですが、問題は内服薬です。この内服薬は鼻炎の際によく処方されるもので、ヒスタミンによる炎症や痒みを抑えるものです。だから作用機序は異なりますが塗り薬とかなり効果がダブります。それに私は降圧剤と心臓保護剤を服用していることを問診票に記載しており、それを読んでいれば相互作用が心配される内服薬を処方することはあり得ない気がしました(その数日後心臓保護薬から副作用が現れ、使用を中止した)。コロナで来院患者が減っているため、薬を1品増やして収入増加を図ったとしか思えませんでした。これらの薬は持ち帰りましたが、使用することはありませんでした。それでも症状は予想通り数日後には無くなりましたので、やはり無用の薬だったと言えます。

福岡に来て個人病院(開業医)にはこれで3院行きましたが、どこもがっかりです。私は東京での仕事の関係で、有名な大学医学部の教授と接する機会も多かったですし、日本医学会にも数回参加し、多くの医学部教授の話を聞きました。また大学病院に入院し、担当教授の診察を受けたこともあります。会社員時代は会社の診療所に行くことがもっぱらで、診療所の医師は大学病院から派遣されていました。これらの医師は、私がいたビジネスの世界の人たちと何ら変わったところはありませんでした。有名な医師であればあるほど人格者でした。これと比べると開業医の実体が酷過るのです。

先ず王様気取りです。医師と患者と言う関係を利用してハラスメントをしています。一番気になるのが医学界で一番重要なエビデンスが無いままに診断し、薬を処方することです。診察の際の主な手段である問診も2,3言しかありません。それでこちらが不安になり、症状を話し始めると多くの場合うるさがられます。そして検査もせず、病名ははっきり告げずに薬だけ出します。まるで占い師のようです。こんないい加減な業界他に見たことがありません。多分診断の7割は外れで、処方された薬の7割は効いていない(むしろ害がある)と思います。これを続けていて誰からも何も言われず、かつ高収入なのですから良い商売です。

コロナにより来院患者が減ったということは、それだけ来院しなくても良い患者がいたということです。出された薬を飲んでいたけれど、飲まなくても大丈夫なことに気付いた患者も多いと思われます。これから開業医離れが始まります。