選挙買収蔓延都市広島はサミット開催都市にふさわしくない

2019年7月の参議院広島選挙区買収事件で、検察は容疑者100人を全員不起訴としましたが、昨年12月検察審査会が35人を起訴相当、46人を不起訴不当と議決しました。その結果公表を受け、これまでに起訴相当と議決された7人が辞職を表明しました。検察の再処分が3月に迫っており、少しでも処分を軽くするため残りの28人の大部分が今後辞職を表明するものと思われます。辞職を表明しても再び不起訴とされることは無く、起訴相当とされた議員は全員略式起訴で罰金、公民権停止5年の処罰に服することになります。中には略式起訴を受け入れず、裁判所による裁判を望む議員が出てくると考えられます。

問題は不起訴不当と議決された46人で、不起訴不当議決の再処分についてはこれまで検察は全部再び不起訴としています。従って今回も再び不起訴とする可能性が高いですが、公職選挙法の類似の買収事件(5万円以上受領)ではこれまで略式起訴となっており、今回の不起訴が異常だったことから、また元の取扱いに戻り略式起訴となる可能性もあります。法の下の平等からするとこちらが望ましいと言えます。

処分の問題はさておき、参議院選挙でこれだけの数の公職者が買収に関わっていたケースはこれまで聞いたことがありません。私の地元で考えてもこれだけ多くの議員にお金をわたしたらいずれバレることから、怖くてできることではありません。広島でこれが行われたということは、広島ではこれまで普通に選挙でお金が授受されていたと考えられます。それはお金を受取った多くの議員が議員を辞職しないことでも分かりますし、中にはお金を受領したことが分かった後の選挙で再選された議員もいます。広島では選挙でお金が授受されることは、地域の慣習・文化になっているように思われます。従って今回の買収事件もバレたのは運が悪かったで済まされ、今後も同じことが繰り返されることとなります。

2023年には日本でG7サミットが開かれるようですが、その開催都市として岸田首相の選挙区である広島市が最有力との報道です。広島市は長崎市と共に原爆被災都市として「平和都市」を宣言していますが、選挙買収が蔓延している実体を考えると「選挙買収蔓延都市」の方がぴったりです。選挙買収が廃絶されない限り広島市がサミット開催都市になるのはふさわしくありません。