16歳で司法試験に合格するよりもベンチャー企業経営者を目指した方がよい

2月1日法務省は司法試験予備試験コースの最終合格者を発表しました。法科大学院卒業見込み者および卒業者を対象とする司法試験(本コース)の合格者は11月18日に発されていますので、予備試験コースの発表は2か月以上遅いことになります。これは司法試験の最終試験に当たる論文試験に加え口述試験(1月)が課されているためです。論文試験合格者487人で最終合格者は479人となっていますから、8人が落ちたことになります。緊張症で人前に立つと頭の中が真っ白になるような人だと思われます。本コース受験者にもこういう人はいると思われ、口述試験を予備試験コースの人だけに課すのは不公平な感じもします。

今回の発表で一番驚いたのは16歳の合格者が出たことです。ネットで調べるとこの人は中学3年生から司法試験の勉強を始め、3年目に合格したようです。予備試験コースの多くの受験生が通うまたはオンライン授業を受けると言う伊藤塾で勉強したようです。たぶん中学1年から司法試験を目指し始め、中学3年で本格的な受験勉強を始めたものと思われます。これは灘中学や開成中学に合格するような子供なら十分可能です。私立中学受験勉強の延長で司法試験の勉強を始めれば、ある意味法律と言う1科目(国語)だけの勉強ですから、楽とも言えるかも知れません。16歳(高校2年)で合格したら、そのまま司法修習を受ける人もいるかも知れませんが、司法試験合格を盾に大学に編入学して、大学を卒業してから司法修習を受ける人が多くなるように思われます。何らかんら言っても大学卒の学歴がないと世の中ではハンディキャップとなります。また10代で司法修習となると行った先でも扱い方が難しくなりますので、司法修習のスタートは大卒程度に合わせた方が良いように思われます。10代で司法試験に合格するような人は社会常識がない弁護士になるとの危惧もありますが、10代で司法試験に合格する力があれば、必要な知識や技術はその時々に習得することができますので、法曹業務の障害にはならないと思われます。

問題は法曹と言う職業が10代で合格するために勉強に打ちこむだけの価値があるかどうかだと思います。私も法学部卒ですがこれまで一度も法曹になりたいと思ったことはありません(短答式には合格している。これは公務員試験のため)し、今でもなりたいとは思いません。法曹を見ていると最近とんでもない人が多すぎます。例えば、刑事事件は容疑者が10カ月や8カ月勾留される事例が見られますが、容疑の段階でこれだけ期間の勾留を申請する検察官も異常ですし、これを許可する裁判官も異常です。勾留期間中に病気になっても入院や手術は認められず、これが原因で死亡した人もいます(その後不起訴)。このように日本の検察官や裁判官は公権力を笠に着て不条理を働いています。特に検察官は自民党議員裏金事件でほとんどの議員を不起訴にしたこと分かるように、不公平な法律執行が常態化しています。弁護士は依頼人の代理人となることが使命ですから、依頼人の利益によってコロコロ立場を変えます。こんな人普通の社会では信頼されません。今ではテレビのコメンテーターが弁護士に似合いの職業となっています。弁護士の友人に言わせると「法曹は社会のどぶさらい」だそうです。社会の中で起きる人間同士のトラブルや抗争の間に立って解決するのが仕事であり、気持ち良い仕事ではないということです。確かにその通りであり、私がずっと法曹になりたいと思わない理由のような気がします。こんな仕事が10代で合格を目指す仕事でしょうか。私にはそうは思えません。それよりも将来今までなかったモノを開発したり新しいプログラムを作成するための勉強に打ち込み、若くしてベンチャー企業を設立し上場させることを目指した方が良いように思われます。名声と富がセットで得られます。東大理系の優秀な学生の目標はこちらになっています。